レジャーやアウトドアグッズ、車のタイヤなど、頻繁には使わないけれどなくては困るものの収納場所に困ることはありませんか?
外で使うものは物置に収納するのが一般的ですが、近年は「外部収納」が選択肢の一つとして人気を集めています。外部収納とは家の一部に設置する収納スペースのことで、汚れやすいものや大型のものを収納するのに最適です。
「趣味で使うものを収納する場所がほしい」
「外部収納をつくるメリットが知りたい」
このような希望をお持ちの方のため、本記事では外部収納のメリットと設計時のポイントを解説します。外部収納がある家の事例もご紹介するので、快適な住まいづくりを目指す方はぜひ最後までご覧ください。
外部収納とは?
外部収納とは、家の一部に設置される専用の収納スペースのことです。
屋外で使用する物品を収納するためのもので、レジャーやアウトドア用品、ガーデニングツール、車のタイヤなど季節のアイテムや大型の道具を収納するのに役立ちます。
外部収納の最大の特徴は、その多用途性です。玄関横につくるシューズクロークとは異なり、汚れやすいものや大型のものなど、室内に持ち込みたくないアイテムを収納しやすいメリットがあります。
屋外の収納スペースといえば家の横に設置する物置をイメージしますが、外部収納は家の一部であり、設計のプロセスから間取りを考える必要があります。
家の一部でありながら、家からアクセスしやすい場所に設置されるという点で、物置とシューズクロークの良いとこ取りのスペースと言えるでしょう。
外部収納のメリット
多用途性に優れ、利便性の高い外部収納には以下のメリットがあります。
- 収納スペースを確保できる
- 物置を設置する手間が省ける
- 収納するものが劣化しにくい
- 生活感を感じにくい
ここからはそれぞれのメリットを詳しく解説します。
メリット1.収納スペースを確保できる
外部収納には、設計の段階から収納スペースを確保できるメリットがあります。
物置の場合、どれくらいの大きさのものを敷地のどこに設置するかを検討しなければなりません。新築の時点でスペースを設置スペースを確保できていればいいですが、マイホーム計画では物置の存在はつい忘れられがちです。
外部収納であれば、家の一部として設計の段階から組み込むことができます。あらかじめ家の中にしまうものと外にしまうものと分けて考えられるので、結果として室内の生活空間を美しく保つことにもつながります。
メリット2.物置を設置する手間が省ける
外部収納は、別途物置を設置する手間を省くことができるメリットもあります。
物置を設置するには、スペースの確保や基礎工事などが必要です。通常、ハウスメーカーとは別の業者に依頼することになりますが、さらなるコストがかかる上、おしゃれなデザインのものを探そうとすればその分時間もかかります。
外部収納であれば、家と一体化しているので新たにデザインを考える必要はありません。無駄なスペースを使わず、敷地内をすっきりした印象に見せられる利点もあります。
物置に比べて設置後のメンテナンスも簡単なので、生活における手間を省くことにもつながります。
メリット3.収納するものが劣化しにくい
家の一部である外部収納は、中に収納したものを日差しや湿気に直接さらされないよう保管できるよう設計されています。
一般的に、市販の物置はアルミニウム製やスチール製のものが大半です。これらの素材は防水性に優れていますが、炎天下にさらされると内部が高温になります。
湿度が上がり、高温多湿の状態になると車のタイヤはゴムの劣化が進みます。時間の経過とともに物置そのものが錆びていくこともあるでしょう。
外部収納は物置に比べて劣化しにくい傾向があります。家の一部ということもあり、通気口を設置すれば湿気やカビの発生を防ぐこともでき、結果として中にしまっているものの寿命を延ばすことにもつながります。
メリット4.生活感を感じにくい
外部収納を活用すると、生活感を感じさせるものを減らし、洗練された室内を維持することができます。
たとえば、ガーデニング用品や子どもの外遊び用のおもちゃを玄関先に置くと土汚れが目立ちやすくなります。汚れや人の気配を感じるものは生活感を強調してしまうので、清潔で整然とした状態を保つにはものを最小限を抑えなければなりません。
外部収納があると、訪問者に見せたくないものを隠すことができます。生活感のない空間づくりを目指す方には、外部収納という選択肢が最適だと言えるでしょう。
外部収納のデメリット
外部収納にはさまざまなメリットがありますが、採用するにはデメリットとなりうる要素もあります。
- 費用がかかる
- 後付けできない
ここからはそれぞれのデメリットを詳しく解説します。
デメリット1.費用がかかる
外部収納は建物の一部として設計・施工されるため、設置には相応のコストが伴います。
物置の本体価格は、安いものであれば5〜10万円程度です。転圧や組み立て工事の費用も5〜10万円が相場なので、費用を抑えようとすれば20万円以内で設置することができます。
一方、外部収納は外壁の改修や防水処理、収納スペースの内部仕上げなど、家とほぼ同じ細かな工事が必要になる場合があります。スペースを広く確保しようとすれば、その分費用が高くなることも考えられます。
住まいと物置を同時に施工できるメリットはあるものの、物置を設置するより費用が高くなる可能性があるでしょう。
デメリット2.後付けできない
外部収納は家の一部であるため、組み立て式の物置のように後から設置することはできません。
仮に、後から追加工事をしようとすれば大規模な増築リフォームを行うことになります。増築する位置によっては仮住まいへ移る必要もあり、日常生活に影響が出る可能性もあるでしょう。
もっとも、外部収納を後付けするよりも物置を設置する方が圧倒的に安価です。メインの居住スペースと外部収納をつくるための増築であれば選択肢になりますが、外部収納のみ後付けすることはあまり現実的ではありません。
外部収納が欲しい!設計時のポイント
外部収納を検討している方のため、ここからは設計時に意識すべきポイントをご紹介します。
ポイント1.収納するものを把握する
外部収納を採用する際は、まず収納したいものと量を明確に把握することが大切です。
収納スペースは広ければ広いほどいいと考える方がいますが、必要以上にスペースを取るのは費用やメンテナンスの面で問題があります。かといって、何も考えずにつくると収納力不足で後悔してしまうことも。
どんなものをどこに収納するのか、設計の時点で広さや棚の配置などをある程度決めておくことをおすすめします。また、使用頻度や使用時期も考慮したレイアウトを考えることで、家づくりにおける失敗を防ぐことができますよ。
ポイント2.外部収納の位置を考える
通常、外部収納は玄関または駐車スペースに近い位置にレイアウトするのがセオリーです。
というのも、外部収納は家の一部でありながら、基本的には外からアクセスする場所です。玄関の近くに配置すれば、重いものや大きなものを運ぶ際の負担を軽減できます。
玄関や駐車スペースと正反対の位置にあると、アクセスしにくいことを理由に行くのが億劫になる恐れがあります。
また、収納したいものによっては日当たりや風通しも考慮したいところです。このほか、周囲の景観や建物のデザインなども考慮した配置にすることで、実用的な外部収納を実現することができます。
外部収納の事例3選
外部収納を検討している方のため、ここからはおしゃれで機能性の高い外部収納の実例を見ていきましょう。
事例1.かさばるキャンプグッズもすっきり!大容量の外部収納
趣味のアウトドア用品がすっきりと収納されているこちらの実例は、新潟県のハウスメーカーが手がけたもの。収納したいものが把握できていると、棚やフックを理想的な位置に設置することができます。
外部収納は玄関のすぐそばにあり、お出かけの際に準備がしやすいのも嬉しいポイントです。
事例2.ガレージ奥にレイアウトされた外部収納はまるで秘密基地のよう
ガレージの奥にある子どもの背丈ほどの扉を開けると、そこには遊び心をくすぐる外部収納が広がっています。ガーデニングやBBQで使うものを収納する目的で設置したそうです。
収納物はキャスター付きのワゴンに乗せて中に入れるため、天井が低くても気になりません。光庭の下のスペースを活用した機能性の高い外部収納ですね。
事例3.収納×プライバシーを両立したデザインが魅力
建物正面のグレーのゾーンは一見すると風除室のようですが、内側に回ってみると外部収納がお目見え。玄関正面に配置されているので、お出かけの準備や片付けもスムーズです。
このデザインは風や日除けにも役立ち、防犯性にも優れています。玄関ドアをオープンにしても中が見えにくいので、プライバシーもしっかりと守られています。
外部収納を活用して快適な暮らしを実現しよう
外部収納は屋外での用途が多いものや、汚れやすいものを保管するのに便利なスペースです。
収納スペースの確保や収納するものの劣化防止、生活感の軽減などさまざまなメリットがあります。初期費用は発生しますが、ライフスタイルによっては生活の質を高め、快適な暮らしを実現するのに有効な選択肢です。
設計の際は収納するものの種類や量を把握し、適切な位置に設置することが大切です。ハウスメーカーや設計士に相談しながら、理想的な住まいづくりを目指してください。
本記事が外部収納を検討している方の参考になれば幸いです。