リビングの広さについて考える|最適な広さは16畳以上?

家づくりをはじめるにあたって、誰もが一度は悩むであろうリビングの広さ。

リビングは1日の中で過ごす時間がもっとも長い場所なので、広く快適な空間にしたいと考える方は多いです。家族みんながリラックスできるよう、じっくりと考えた間取りにしたいですよね。

「リビングの平均的な広さは何畳?」
「狭いリビングを少しでも広く見せたい」

このような疑問や悩みを解消するため、今回は家づくりで絶対に欠かせないリビングの広さについてまとめました。平均的な広さや空間を広く見せるコツなどもご紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

目次

リビングの広さは平均16〜20畳【画像あり】

日本の一般的な住宅の場合、リビングの平均的な広さは16〜20畳だと言われています。

家族の人数や生活スタイルによって異なりますが、20畳確保できればリビングが狭いと感じることは少ないでしょう。

リビング空間のイメージを掴んでいただくため、まずは実際の雰囲気(16畳・18畳・20畳)を見てみましょう。

16畳のリビング(家族構成:夫婦2人+子ども2人)

画像引用:@natsu__010728|Instagram

こちらのご家庭は4人家族で、建売住宅を購入されたそうです。ダイニングテーブルと2人掛けのソファを置いても空間に余裕があるのがわかります。

16畳でも家具の配置次第で狭い印象はまったく感じられません

18畳リビング(家族構成:夫婦2人+犬1匹)

画像引用:@sumirin.himari|Instagram

キッチンからリビングを見渡せる間取りは、小さいお子さんやペットのいるご家庭に人気があります。直線型のリビングで18畳とは思えない奥行きを感じられるのがポイント。

キッチンの反対側には大きな窓があり、開放感のある空間に仕上がっています。

20畳リビング(家族構成:夫婦2人+子ども2人)

画像引用:@kana_no_ie5|Instagram

20畳・L字のリビングです。ある程度の広さを確保できると、間取りや家具の配置に自由度が増します

カウンターチェアやキャビネットを置くことで収納やインテリアの幅も広がりますね。

リビングの広さはどう決める?チェックしたい4つのポイント

リビングの広さで悩む場合は、以下4つのポイントを考えると最適な広さをイメージできます。

  1. 家族の人数
  2. キッチンの形状
  3. リビングの間取り
  4. 家具・家電のサイズ

ここからはそれぞれの内容を詳しく解説します。

ポイント①家族の人数

リビングの間取りを決めるにあたって、まず考えたいのが家族の人数とライフスタイルです。

リビングの平均的な広さは16〜20畳ですが、家族の人数が多いと全員が集合した時に狭く感じるかもしれません。

お子さんの場合はとくに、成長とともに学業や部活動などで荷物が増えてしまいます。リビング学習を想定しているのであれば、ある程度の広さは確保しておきたいところです。

また最近はテレワークの導入が進み、在宅時間が増えた家庭も多いことと思います。仕事とプライベートをしっかり区別したい方は、家族の暮らしをイメージした上でリビングの間取りを決定するのがいいでしょう。

ポイント②キッチンの形状

日本の一般住宅はリビングとダイニング、キッチンの3つの空間が一体になったLDKタイプが多いです。

リビングとダイニングが占めるスペースは、家具の配置次第である程度融通が効きます。しかしキッチンは固定されてしまうため、リビングを広く見せたい方はキッチンの形状も工夫が必要です。

たとえば、シンクや調理スペースが独立しているアイランドキッチンはスペースに余裕がないと設置は難しいでしょう。

画像引用:@rhome.0204|Instagram

こちらがアイランドキッチン。壁面に接していないためキッチンが占める空間は大きくなりやすい。

間取りや予算の都合でリビングを広くできない場合、壁付け型やペニンシュラ型でスペースを節約するのがおすすめです。

画像引用:LIXILリフォームネット|キッチンスタイルの種類

ポイント③リビングの間取り

新築の場合、リビングを中心に間取りを考える方は多いことと思います。

予算や敷地面積に限りがある方には直線型のリビングがおすすめです。直線型は畳数が小さくても、天窓や勾配天井などでスペースを広く見せることができます。

敷地面積に余裕があればL字型のリビングもいいでしょう。L字型はコミュニケーションの取りやすさや配膳の便利さなどがメリットです。

ポイント④家具・家電のサイズ

理想のリビング空間を作るには、間取りだけでなく設置予定の家具や家電についても考えなければなりません。

家族の人数が多ければ、自ずとソファや冷蔵庫のサイズは大きくなります。家づくりの段階で家具や家電のサイズもある程度決めておくと「思ったより狭かった」という後悔は防げます。

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広いリビング(20畳〜)のメリット・デメリット

以下は広いリビングのメリット・デメリットをまとめたものです。

広いリビングのメリット広いリビングのデメリット
・開放感がある
・家具や家電を自由に配置できる
・ゲストの人数が多くても困らない
・ライフスタイルの変化に対応しやすい
・掃除に手間がかかる
・光熱費が高くなりやすい

広いリビングには開放感があり、そこで過ごす時間を大いに楽しむことができます。ゲストも招待しやすいですし、大人数でもゆっくりとくつろいでもらえるのが大きな魅力です。

一方で、掃除の手間や光熱費が高くなりやすい点は広いリビングのデメリットとも捉えられます。冬場は暖房費もかかるので、コンパクトなリビングに比べるとランニングコストは高くなるでしょう。

広すぎるリビングは後悔する?

広いリビングにはさまざまなメリットがあるため、住む人の生活や将来を考えた家づくりをすれば後悔は避けられます

住んでから「こうすればよかった」と思うことはあっても、スペースに余裕があればいくらでも改善できるでしょう。

もっとも理由や根拠なくリビングを広くしたいと考える方はいないと思うので、完成後の暮らしをイメージしてみると失敗は少なく済むのではないでしょうか。

狭いリビング(〜14畳)のメリット・デメリット

狭いリビングのメリット・デメリットもまとめました。

狭いリビングのメリット狭いリビングのデメリット
・建築費を安く済ませられる
・コミュニケーションが取りやすい
・掃除や片付けがラク
・光熱費を抑えられる
・家族が多いと窮屈に感じる
・モノを増やせない
・ゲストを呼びにくい

間取りをコンパクトにすることは建築費の節約につながります。電気代や暖房代も抑えられ、長い目で見ても費用面の負担は大きく軽減できるでしょう。

一方でモノの収納場所や招待できるゲストの人数に限りがある点は、人によってデメリットと捉えられます。

ミニマムな暮らしを好む方には最適ですが、家族が多い方や大人数でワイワイ楽しみたい方は多少の窮屈さを感じるかもしれません。

リビングを広く見せるための6つのコツ

「予算や間取りの都合で確保できるスペースが限られる」
「間取りはこのままでリビングを広く見せたい」

このような悩みをお持ちの方のため、ここからはリビングを広く見せるコツを6つご紹介します。

  1. 背の低い家具を選ぶ
  2. 隣接する空間をつなげる
  3. 天井の高さを変える
  4. 大きな窓を選ぶ
  5. 直線型のリビングにする
  6. 内装材を明るいカラーにする

詳しい内容を見ていきましょう。

コツ①背の低い家具を選ぶ

ローソファやローテーブルといった背の低い家具には、空間を広く見せるメリットがあります。

背の高い家具特有の圧迫感は大幅に軽減されますし、目線を遮るものがないので空間に奥行きも感じられます

また床面積が見える範囲を大きくするのも空間を広く見せるポイントです。床にモノを置かない、足の細い家具を置くなどの工夫でリビングに開放感を演出できるでしょう。

画像引用:@fukuro_smallhouse|Instagram

こちらは15畳のLDKです。背の低い収納グッズを選ぶことで圧迫感のない空間に仕上がっています。膨張色のホワイト系クロスもリビングを広く見せてくれます。

コツ②隣接する空間をつなげる

ここ最近は和室や客間とリビングを隣接させる間取りがトレンドです。

画像引用:@tattiti.house|Instagram

隣接する部屋があればリビングは広く見えますし、段差や仕切りがあることで空間にメリハリができます。ドアを設置すれば完全個室として使えるため、来客時も安心です。

コツ③天井の高さを変える

新築やリフォームであれば、天井高を高くすることでリビングを広く見せる方法もあります。

一般的な住宅の天井高は2m20cm〜2m40cmが平均です。最近の家づくりは吹き抜けや勾配天井、折り上げ天井などがトレンドで、ハウスメーカーの中にはオプションで天井高を高くできるところもあります。

画像引用:@la_bouche.go.in|Instagram

勾配があることで開放感が生まれます。天井が高いと部屋があたたまりにくい点がデメリットですが、床暖房やシーリングファン、天窓などで寒さ対策が可能です。

コツ④大きな窓を選ぶ

リビングに大きな窓があると空間に奥行きが出て、室内が広く感じられます。

方角次第では日当たりもよくなりますし、家具の運搬にも便利です。ミラーガラスやカーテンなどで工夫すれば、道路に面していてもプライバシーをしっかりと守れます。

画像引用:@yo_u_u98|Instagram

縦長の間取りですが、大きな窓があることで横幅の大きさも感じられます。背の低いキャビネットをチョイスしているので圧迫感のない広々とした空間に仕上がっています。

コツ⑤直線型のリビングにする

空間に奥行きを出すなら、リビングのレイアウトは直線型がおすすめです。

同じ20畳の空間でも、直線型とL字型では前者の方が広く感じられます。畳数は小さくても勾配天井や大きな窓との組み合わせで広々とした印象に変わります。

画像引用:@__fj.home_0501__|Instagram

約10畳のリビングダイニング。天井の折り上げや隣接する階段スペースがあることで空間に余裕が感じられます。部屋に奥行きをプラスする窓の使い方も真似したいポイントです。

コツ⑥内装材を明るいカラーにする

クロスや床材などの内装材は明るめのカラーを選ぶのもいいでしょう。

インテリアコーディネートでは、ホワイトやベージュ系といった明度の高いカラーを膨張色と言います。膨張色には実物よりも広く(大きく)見せる効果があるので、狭い空間を広く見せたい場合におすすめです。

反対にブラック系や寒色系のカラーは縮小色と言われ、目の錯覚で空間が引き締まって見えてしまいます。

家族の人数やライフスタイルを意識して快適なリビング空間を作ろう

家づくりをはじめるにあたって、多くの方が直面する間取りの悩み。

中でも、1日のうちで過ごす時間の長いリビングは絶対に失敗したくないと考える方は多いでしょう。

リビングはただ広くすればいいというわけではありません。快適な空間を作るには、住む人のライフスタイルを意識することが大切です。

本記事でご紹介した内容が素敵な住まい作りの参考になりますと幸いです。

この記事の監修者

小山田

小山田 剛

一級建築士事務所CoboLabo代表。 一級建築士兼、管理建築士。お客様のご予算帯に合わせた最適な建築・インテリア設計の提案を得意としている。

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この記事を書いた人

フリーランスとして活動するエクステリアプランナー。
2級エクステリアプランナー・インテリアコーディネータ―の資格所有。
住宅の外観から内装デザインまでを得意としており、自身の住宅デザインも手掛けている。

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