外構工事でよくある失敗例|エクステリアで後悔しないために

外構工事中

「理想の家ができたのに外構で失敗した」
「外構工事に不満があるのでやり直したい」

夢のマイホームを新築するも、外構が思い通りにならなかったというのはよくあるお話です。

家と外構は一生ものですし、何より高額な費用がかかります。簡単にやり直しがきかないため、着工前は綿密な計画と打ち合わせが必要です。

本記事では、外構工事でよくある「こんなはずではなかった…」という例をまとめました。失敗を防ぐ方法もご紹介するので、理想のエクステリアを実現したい方は参考にしてください。

目次

外構工事の失敗例8選

外構工事では、以下8つのポイントで失敗が起こりやすいと言われています。

  1. オープン外構|プライバシーが確保できない
  2. アプローチ|滑りやすい素材がある
  3. 庭・植栽|手入れの手間が増える
  4. 駐車場|図面で見るより狭い
  5. 水栓|洗車や庭の水やりがしにくい
  6. 人工芝|つなぎ目から雑草が生える
  7. ウッドデッキ|メンテナンスを怠って木が腐る
  8. 照明|暗いエントランスは防犯面が不安

それぞれの例と失敗を防ぐ方法を見ていきましょう。

失敗例①オープン外構|プライバシーが確保できない

塀やフェンスを設置せず、開放感を出すオープン外構には「家が丸見えでプライバシーが確保できない」といった失敗が多いです。

オープン外構は、狭い敷地を広く見せたいという方に人気があります。また塀やフェンスを設置しなければその分工事費用が安くなるため、コストを抑えたいという理由でオープン外構を選ぶ方も多いです。

たしかに塀やフェンスがなければ敷地は広く見えるのですが、安全性やプライバシーの面で対策が必要となります。

開放感を出しつつプライバシーを守るには、部分的にクローズ外構を取り入れる「セミクローズ外構」がおすすめです。

セミクローズ外構は、庭の一部のみに塀やフェンス、植栽などを取り入れて開放感と安全性を両立できます。塀やフェンスは後付けもできるので、予算オーバーであれば将来的にセミクローズを検討するのもいいでしょう。

失敗例②アプローチ|滑りやすい素材がある

門から玄関までの道のり(アプローチ)に設置する敷材について、後々になって「滑りやすくて危ない」といった失敗談が多いです。

小さなお子さんや高齢者と生活するご家庭からは、アプローチが滑りやすいのでリフォームしたいという相談もあるほどです。

傾斜地や水はけの悪い敷地の外構はとくに、アプローチの素材はしっかりと確認しておきましょう。

人気のコンクリート打ちっぱなしのアプローチは、表面を粗く仕上げてもらうことで滑り止めの効果が得られます。傾斜のあるアプローチでは、ノンスリップ加工が施されたタイルなどもおすすめです。

失敗例③庭・植栽|手入れの手間が増える

新築後はガーデニングに挑戦したい!という方は多いのですが、植栽の数を増やすとお手入れに時間がかかります

もともとガーデニングが趣味であれば、庭のお手入れも楽しめるでしょう。しかし新築をきっかけにガーデニングをはじめたいということであれば、植栽は増やしすぎない方が安心です。

もう一つ、植栽の失敗で多いのが植物の選び方です。

ひと口に植栽といっても、植物にはさまざまな種類があります。一年中葉をつけているものもあれば、秋冬には落葉してしまうものもあります。

葉が落ちれば目隠しの役割は果たせませんし、落ち葉は掃除も必要です。植物は見た目だけで選ばず、種類と特徴をしっかりと調べることが大切です。

失敗例④駐車場|図面で見るより狭い

駐車場に多い失敗例は「図面で見るよりも狭く感じた」というものです。

工事後、実際に車を入れてみて狭さを感じる方が多いようです。門扉やフェンスがあると余計に狭さを感じやすいため、駐車スペースは余裕を持って確保しましょう。

国土交通省がまとめた駐車場設計・施工の指針には、駐車マス(車を置くスペース)について以下の基準があります。

設計対象車両長さ幅員
軽自動車3.62.0
小型乗用車5.02.3
普通乗用車6.02.5
※単位:メートル

参考:国土交通省|駐車場設計・施工の指針

家の場所や隣地の状態次第では、上記より広く駐車スペースを確保した方がいい場合があります。また、駐車場と家が遠すぎると雨天時に濡れてしまう事態も想定できます。

駐車場工事の失敗を防ぐには、車の大きさや生活に合わせてスペースと設置位置を決定しましょう

失敗例⑤水栓|洗車や庭の水やりがしにくい

外構工事の計画がある方は、家族と相談しながら水栓の設置場所を考えましょう。

使いたい位置に水栓がないと、まずは長いホースが必要になります。途中にある障害物のせいでホースをうまく伸ばせず、ストレスを感じるという方が多いです。

また、そもそも水栓を設置しなかったことを後悔したというお話もよく聞きます。

水栓は洗車やガーデニング、子供のプールなど幅広い使い道があります。ペットの手足を洗うのにも使えるので、今は不要でも設置することを前提に打ち合わせをするのがいいでしょう。

失敗例⑥人工芝|つなぎ目から雑草が生える

人工芝は天然芝に比べて耐久性が高く、草刈りや水やりをしなくていいメリットがあります。

素人でも比較的簡単に敷けるので、DIYに挑戦する方が多いです。しかし、大雑把に敷き詰めるとつなぎ目から雑草が生え、結果的に草むしりの手間がかかるという失敗例も。

また、植栽の枯葉が人工芝にからまり、思ったより掃除が大変だったと話す方もいます。

設置場所や素材次第ではカビが生えることもありますし、変色や汚れのリスクがあるため人工芝の上でのバーベキューはできません。

人工芝のDIYを検討している方には、つなぎ目が出ないよう重ね合わせて敷きつめること。そして、汚れや熱に強い素材を選ぶことをおすすめします。

失敗例⑦ウッドデッキ|メンテナンスを怠って木が腐る

以下の通り、ウッドデッキの設置には実にさまざまな失敗例があります。

  • サイズが小さく近い道がない
  • 虫が発生した
  • 庭が狭くなった
  • 木が腐った
  • 人目が気になる など

ウッドデッキのある家はとても素敵に見えますが、憧れだけで設置するのはおすすめできません。

そもそもウッドデッキは年中使えるものではないため、真夏や寒さの厳しい冬は使用頻度が下がります。使用目的を明確にしなければ、使い道がないまま劣化が進んでいくだけです。

ウッドデッキの下は虫も発生しやすいですし、日が当たらないため湿気で木が腐ってしまう原因にもなります。さらに、オープン外構では人目が気になりプライバシーが確保できないというデメリットも。

ウッドデッキについては、日当たりと風通しのいい場所に設置することが大切です。DIYに挑戦する場合は木材の種類にもこだわり、定期的なメンテナンスも行いましょう。

失敗例⑧照明|暗いエントランスは防犯面が不安

外構の計画を立てる時、照明はもっとも忘れがちなポイントの一つです。

明かりの少ない家は不審者に狙われやすく、防犯面の不安が残ります。また、夜遅くに帰宅した時に、ロック付きの郵便ポストを開けるのに苦労するというお話もあります。

工事完了後に「照明をつけるべきだった」と後悔される方が多いので、最低限の明かりは確保しておきたいものです。

照明は後付けもできるので、好みのものを選んで家や庭のライトアップを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

外構工事で失敗を防ぐには?チェックすべき4つのポイント

外構工事で後悔をしないためには、次の4つのポイントを確認しましょう。

  1. 家族のライフスタイル
  2. 予算
  3. 施工事例
  4. 建物の補償

具体的な内容も解説します。

ポイント①家族のライフスタイル

外構に関してデザインを重視される方は多いのですが、家族が快適に暮らせるかどうかも忘れてはなりません。

車を運転する人やガーデニングを楽しむ人、休日の過ごし方など、家族のライフスタイルを基準に考えると大きな失敗は回避できます

また、年齢とともに暮らし方は少しずつ変化していくものです。子供が増えたり高齢の両親と同居したりなど、将来的な可能性も含めて検討してみることをおすすめします。

ポイント②予算

外構工事は、過度に節約しすぎると失敗しやすいと言われています。

予算オーバーという理由で塀の設置をやめれば、庭が丸見えで人目が気になるといった後悔が生まれます。木材が高いからとウッドデッキを小さくすれば、予定していた使い方ができなくなる可能性もあるでしょう。

過度な節約による失敗を防ぐには、施主支給やDIYなどの方法があります。

また、数年後資金が確保できてから追加で工事をするのも一つの方法なので、費用面については業者と相談しながら折り合いをつけていきましょう。

ポイント③施工事例

「外構工事はしたいけど具体的なイメージがわかない」という方は、業者が公開する施工事例をチェックしてみましょう。

施工事例は、デザインを考える上でのヒントとなる材料です。気になる業者の事例でもいいですし、インスタグラムなどで理想に近いものを探すのもおすすめです。

ポイント④保証内容

家の新築と外構を別の業者に依頼する場合、外構業者の補償範囲はしっかりと確認してください。

格安業者の中には、安く工事を行う代わりに施工後のトラブルは一切責任を負わないという業者がいます。

仮に施工内容に不満があったとして、話を聞いてもらえれなければ全額実費で修理という可能性もあるでしょう。

業者選びの際は、保証サービスの有無も基準に判断することをお忘れなく。

外構工事の失敗はやり直しできる?

注文内容と実際の施工に明らかな相違がある場合、やり直しの交渉をすることは可能です。

ただし、業者にまったく非がないのであれば、当然ですが追加工事をしてもらうのは難しいでしょう。

例えば、当初依頼したものと異なる商材が使われていたとします。これは完全なる業者の発注ミスですので、お客様は費用負担なく工事をやり直してもらえます。

これが「単に気に入らないから」という理由であれば、それはお客様都合によるものですからやり直しはできません。工事のやり直し自体が可能だったとしても、追加費用はお客様の負担となります。

工事の失敗というのは、業者とお客様で認識が異なるケースが多いです。お客様が「使いにくい」と主張しても、設計通りに施工が完了していれば業者は失敗したとは思わないでしょう。

業者との認識の違いを防ぐには、綿密な打ち合わせが必要不可欠です。また、できる限り現場を確認し、デザイン通り進んでいるか自分の目で確認することも大切です。

入念な計画と打ち合わせで外構工事の失敗を防ごう

大切な家をより快適なものに変身させてくれるエクステリア。

後悔しない工事をするには、家族や業者との念入りな打ち合わせが欠かせません。完成後の庭で過ごす時間をイメージしながら計画を立てると、大きな失敗を防ぐことができるでしょう。

本記事でご紹介した内容が、外構工事を検討中の方の役に立ちますと幸いです。

この記事の監修者

大橋哲雄

大橋 哲雄

ステージ外構設計事務所代表。 お客様の不満を解消するエクステリアプランニングを得意としており、これまで1,000件以上の施工に携わっている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フリーランスとして活動するエクステリアプランナー。
2級エクステリアプランナー・インテリアコーディネータ―の資格所有。
住宅の外観から内装デザインまでを得意としており、自身の住宅デザインも手掛けている。

目次