買ってはいけない土地の特徴とその理由

夢のマイホーム購入にあたって、土地探しで悩まれる方は多いことでしょう。

長く快適に住み続けられる土地を選ぶには、トラブルが起きやすい土地の特徴をしっかりと把握することが大切です。

「土地選びで後悔したくない」
「避けた方がいい土地の特徴は?」

家づくりを検討している方のため、この記事では買ってはいけない土地の特徴をわかりやすく解説します。

目次

買ってはいけない土地の5つの特徴

満足のいく土地探しをするには、まず買ってはいけない土地の特徴を知ることからはじめていきましょう。

選んではいけない土地の特徴には、

  1. 自然災害が多い
  2. 地盤が弱い
  3. 周囲よりも低い位置にある
  4. 隣地との境界線がはっきりしていない
  5. 抵当権が設定されている

などがあります。

ここからはそれぞれの特徴と買ってはいけない理由をより詳しく解説していきます。

特徴①自然災害が多い

台風や地震、洪水など、日本は世界的に見ても自然災害が非常に多い国です。

それ自体は避けられないものですが、災害時の被害範囲は各自治体がある程度予測しています。災害の種類は以下の通りで、詳細は各自治体が作成するハザードマップにまとめられています。

河川の氾濫による浸水や洪水大雨などで河川が氾濫した場合、浸水する恐れのあるエリアや浸水の高さなどを示したもの
土砂災害土石流などが発生した場合、被害が起こる可能性のあるエリアを示したもの(山の斜面や埋立地、森土で造成された土地などに多い)
地震災害ゆれやすいエリアや液状化しやすいエリアを示したもの
火山災害火山の噴火による噴石の落下や噴煙、火山ガスなどの被害を受ける可能性のあるエリアを示したもの
津波・高潮津波や高潮による浸水予測や避難経路などを示したもの

自然災害が発生すると、被害の程度によって家を失う恐れがあります。理想の土地が見つかったらまずはハザードマップを確認し、その土地が被災想定区域に該当するかをチェックしましょう。

特徴②地盤が弱い

地盤が弱い土地に建物を建てると、その重さに耐えられず建物自体が沈下することがあります。

地盤沈下による影響は、以下の通り非常に深刻です。

  • 基礎や壁にクラック(亀裂)が入る
  • ドアや窓がゆがんで開け閉めしにくくなる
  • 下水が流れにくくなる
  • 資産価値が大幅に低下する
  • 建物の傾きによって体調不良(頭痛やめまい、吐き気など)になるなど

一度地盤沈下が起こると、修復するのに新築工事と同じくらいの費用がかかります。

建物を建てる際は、その土地の荷重に対する強度を調べる「地盤調査」が必ず行われます。しかし、地盤調査ができるのは原則として土地を購入した後のみです。(※土地の売主や不動産会社が許可すれば購入前でも調査可能)

埋立地や盛土でつくられた土地は、地盤沈下が起きやすいと言われています。また、道路のでこぼこや亀裂が多い場所も注意した方がいいでしょう。

擁壁のある土地は買わない方がいい?

擁壁は、土砂崩れなどによる被害から建物や道路を守るために設置されます。

高低差のある土地は、高い土地からの荷重や雨水、地震などさまざまな影響を受けます。平地よりも大きな圧力がかかるので、土砂崩れを防ぐために擁壁を設置することが多いです。

擁壁があるとなれば、多少なりとも土砂崩れのリスクがあると考えます。したがって「擁壁があるかどうか」も、土地選びの基準の一つとして考えるのがいいでしょう。

ただし、擁壁がある=買ってはいけない土地とは考えないでください。そもそも擁壁は万が一の時に家を守ってくれる構造物ですから、それ自体が悪いものではありません

擁壁のある土地の購入を検討するなら、その他条件も含め総合的に判断することをおすすめします。

特徴③周囲よりも低い位置にある

周囲よりも低い位置にある土地には、以下のデメリットがあります。

  • 雨水が流入しやすい
  • 日当たりが悪い可能性がある
  • 敷地が見えやすい

雨水が流入しやすい土地は、水はけが悪く湿気が多くなりやすいです。

水分を多く含んだ木材はカビやシロアリの温床となるため、建物の劣化につながります。日当たりの悪い場所には水たまりができ、ガーデニングや家庭菜園が趣味の方にはおすすめできません。

また、高い土地から敷地内が見えやすいので、家や外構工事ではプライバシーを守るための工夫も必要です。

雨水や木材腐朽、プライバシーの確保は対策次第で何とかなりますが、その分お金がかかります。工事の追加費用だけでなく維持費も発生するため、低い土地はできるだけ避けた方がいいでしょう。

特徴④隣地との境界線がはっきりしていない

土地や道路の境界には、境界杭と呼ばれる真四角の杭が打ち込まれています。

土地と土地の境界線を示す境界杭

隣地との境界線はこの杭によって識別できますが、何らかの事情により抜かれてしまうことがあります。(解体工事や水道工事など)

すでに所有している土地であれば杭の復元が可能ですが、購入前の土地に杭は打てません。境界が不透明な土地を購入した結果、のちに隣人とトラブルになったという方もいます。

土地は所有面積が少し変わるだけで、資産価値が大きく変わります。もし理想の土地に境界杭がなければ、売主や不動産会社に境界を明確にするよう依頼しましょう。

特徴⑤抵当権が設定されている

抵当権は、住宅ローンが返済できなくなった時に、債権者(金融機関)が土地や家を担保にする権利のことです。

土地の売買においては、売主が抵当権を抹消してから引き渡すことが大前提となります。しかし、いつまで経っても抵当権が抹消されず、土地を購入できないというケースは少なくありません。

抵当権つきの土地を購入すると、売主が返済不能となった時に土地が競売にかけられる可能性があります。この場合、買主の所有権は消滅し、何もしていないのに土地や家を失う恐れがあるのです。

購入を希望する土地に抵当権がついているなら、まずは売主や不動産会社に抵当権抹消の手続きを依頼してください。

事故物件の土地は縁起が悪い?

事件や事故など、何らかの理由で入居者が亡くなった物件は、不動産業界で「心理的瑕疵(かし)物件」として取り扱われます。

過去にその場所で誰かが亡くなったと聞いて、心理的不安から購入をためらう方は多いです。反対に、相場よりも安く購入できる点をメリットととらえる方もいます。

事故物件のある土地=縁起が悪いと思われがちですが、一概にそうとは言えません。その土地で不幸が続くといった科学的根拠はないですし、事故物件でも快適に生活されている方は大勢います。

一方で、なぜか悪いことが続いている土地や物件があるのも事実です。気の持ちようという考えもありますが、せっかくのマイホームですから家族全員が余計なことを気にせず暮らせる土地を選びたいものです。

土地購入の際にチェックすべき3つのポイント

土地や家は孫の代まで引き継がれる可能性があるので、後悔のないよう慎重に選びたいものです。

土地探しの際は、買ってはいけない土地の特徴以外に以下3つのポイントもご確認ください。

  1. 交通アクセス
  2. 日当たり
  3. 土地の形

ここからはそれぞれのポイントをより詳しく解説していきます。

ポイント①交通アクセス

土地探しの条件として、通勤通学しやすい場所をあげる方は多いです。

家と職場の距離は近ければ近いほどいいですが、定年を迎えるまで同じ会社で働ける保証はありません。日本で終身雇用が慣行とされていたのもいまは昔、現在はどんな方にも転職の可能性があります。

土地選びにおいて立地を優先するならば、今の職場だけでなく公共交通機関にアクセスのいい場所を検討することをおすすめします。駅やバス停が近ければ、病気やケガをした時や老後など移動中のリスクを最小限におさえられるでしょう。

ポイント②日当たり

日本では、海外と比べて日当たりのいい南向きの家は縁起がいいとされています。

太陽の光が差し込む家はとてもあたたかく、気持ちの面でもいい影響を与えます。ただし、南向きだからといって必ずしも日当たりがいいとは限りません。

日当たりの良さは、方角はもちろんですが近隣の建物にも大きく左右されます。仮に南向きの大きな窓がある家でも、南側に高層マンションが建っていれば日照が制限される可能性が高いです。

日当たりを重視する方は、土地単体で判断するのではなく、家を建てた時の方角を意識してみるのがいいでしょう。

ポイント③土地の形

狭小地や不整形地は、土地代や固定資産税を安くおさえられるメリットがあります。

土地は小さくても、3階建てにすれば十分な居住スペースが確保できます。形がいびつな土地も、間取りや外構次第では四角形に見せることが可能です。

ただし、階数の高い家は足腰に負担がかかるため、老後や親との同居にはあまりおすすめできません。また、狭小地はそうでない土地に比べて売却が難しい傾向にあります。

家づくりには、不便を快適に変える楽しさがあります。「狭小地だから避けるべき」ということではないので、その他条件も含め総合的に判断したいものです。

買ってはいけない土地の特徴をおさえて後悔しない家づくりをしよう

家づくりをはじめるにあたり、避けては通れない土地探し。

一生に一度の買い物だからこそ、トラブル回避のために買ってはいけない土地の特徴はきちんと把握しておきたいところです。重視する条件は人それぞれ異なるので、譲れないポイント・妥協できるポイントはあらかじめまとめておくのがいいでしょう。

これから家を建てる方にとって、この記事が土地探しの参考になりますと幸いです。

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この記事を書いた人

フリーランスとして活動するエクステリアプランナー。
2級エクステリアプランナー・インテリアコーディネータ―の資格所有。
住宅の外観から内装デザインまでを得意としており、自身の住宅デザインも手掛けている。

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