セカンドリビングとは?リビングが2つあるメリットと後悔しないレイアウトのコツ

ソファのある部屋

最近の住宅設計では「セカンドリビング」という概念が注目を集めています。

セカンドリビングはリビングルームが2つあるという従来にはないコンセプトで、ライフスタイルや居住空間の多様化に対応するために誕生しました。

複数のリビングがあることで、住む人がそれぞれのスペースを持ったり、来客時に柔軟な対応ができるメリットが生まれます。一方で「本当に必要なのか」「費用対効果があるか」といった不安もあるでしょう。

そこで本記事では、セカンドリビングのメリットについて詳しく解説します。設計時のポイントやおしゃれな事例もご紹介するので、家づくりの予定がある方はぜひ最後までご覧ください。

目次

セカンドリビングとは?

セカンドリビングとは、メインのリビングルームに加えて、もう一つのリビング空間を設ける住宅設計のスタイルのことです。

「サブリビング」とも呼ばれるこのスタイルは、住む人のライフスタイルに応じてリラックスしたり趣味を楽しんだりするためのスペースとして活用されます。

たとえば、セカンドリビングを採用した二世帯住宅では、各世帯が独自のリビングスペースを持っているので互いの暮らしに干渉せず、それぞれの生活リズムを保つことができます。

一つ屋根の下であることは変わりないので、必要な時にどちらかのリビングに集まって、共に過ごす時間を大切にすることも可能です。

子育て世帯では、セカンドリビングを子ども専用の遊び場や勉強部屋として使うこともできます。メインリビングをすっきり保てるので、来客時に慌てて片付けをする必要もありません。

セカンドリビングの目的はただスペースを増やすのではなく、QOL(生活の質)向上させることに意味があります。用途の自由度が高いので、それぞれの家庭のニーズに合わせて最適なレイアウトを実現できます。

セカンドリビングのメリット

和モダンなリビングと中和室

セカンドリビングという概念は、めまぐるしく多様化する住宅スタイルと非常に好相性です。

具体的には以下のメリットがあります。

  1. 二世帯でもプライベートを確保しやすい
  2. さまざまな使い方ができる
  3. 省スペースでもレイアウトできる
  4. デザインの自由度が高い

ここからはそれぞれの利点を詳しく解説します。

メリット1.二世帯でもプライベートを確保しやすい

二世帯住宅や同居の可能性がある場合、セカンドリビングは非常に有効な選択肢です。

というのも、セカンドリビングがあることで二世帯が程よい距離感を保つことができるからです。互いに干渉されないスペースがあれば、生活リズムの違いによるストレスを大幅に軽減できます。

どちらか一方の来客時も相手を気にせず、気兼ねなくプライベートな時間を確保できるのはセカンドリビングを採用する大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2.さまざまな使い方ができる

セカンドリビングの魅力を語る上で、多機能性と柔軟性は外せないポイントです。

具体的な活用例を以下にまとめました。

  • ゲストのくつろぎスペース
  • 趣味部屋
  • ワークスペース・書斎
  • 子どもの遊び部屋・勉強部屋
  • ペットスペースなど

来客時は客間として、休日は趣味部屋として、リモートワークをする時はホームオフィスとして、その使い方は自由自在です。

住む人のライフスタイルに合わせて柔軟な使い道を楽しめるのが、セカンドリビングを採用する利点です。

メリット3.省スペースでもレイアウトできる

セカンドリビングは広さにとらわれず、コンパクトなスペースでも十分に機能を発揮します。

客間として使用する想定であれば、広さはゲスト2人分の布団を敷ける4.5畳で十分です。(3組なら6畳、4組なら8畳が理想)

趣味部屋や子どもの遊び場として使うなら6畳、大人一人分のワークスペースを確保するなら2畳もあればいいでしょう。

大前提としてメインのリビングがあるので、セカンドリビングは小さなスペースで無駄なく居住空間をデザインできます。間取り次第では、階段下の空間やちょっとしたデッドスペースもセカンドリビングとして活用することができますよ。

メリット4.デザインの自由度が高い

メインリビングとは異なるデザインを楽しめるのも、セカンドリビングならではのメリットです。

たとえば、メインリビングをシンプルで落ち着いたデザインにするなら、セカンドリビングはカラフルで遊び心のあるデザインに挑戦することもできます。少し派手かな?と思うようなデザインも、セカンドリビングなら気軽に試せるのでインテリアの幅が広がります。

用途が子どもの遊び場なら、おもちゃやキャラクターものも抵抗なくディスプレイできます。人目に触れるところはおしゃれに保ちたいという方は、生活感が出やすいものをセカンドリビングに集約するのもいいかもしれません。

セカンドリビングはどこに作る?おすすめの間取り

セカンドリビングは基本的にどの位置にレイアウトしても問題ありませんが、どのような用途が想定されるかはある程度イメージしておいた方がいいでしょう。

たとえば、二世帯で親と子それぞれのリビングとして使うなら、1階と2階に分けることをおすすめします。せっかく互いのくつろぎ空間を作るのですから、ある程度距離を保つのが望ましいです。

子どもの遊び場としての用途なら、メインリビングから目の届く範囲が理想的です。スキップフロアは視覚的・物理的なつながりを持たせることができ、メインリビングとの一体感を保てます。

客間や趣味部屋として使う場合は、家の一角が最適です。人の気配が感じにくいので、プライバシー保護や集中力アップの効果が得られます。

セカンドリビングは、各家庭のニーズに応じて自由自在に配置できます。時間とともに使い道が変わることも十分にありえるので、長い目で見たレイアウトを考えることが大切です。

【画像あり】おしゃれなセカンドリビングの事例3選

セカンドリビングを検討している方のため、ここからは実際の事例をご紹介します。

事例1.セカンドリビング×廊下でスペースを有効活用

2階の廊下にセカンドリビングを設えたこちらの住宅は、暮らしの自由度を上げる工夫がいっぱい。ソファ正面にはテレビを設置し、家族が思い思いのくつろぎ時間を楽しめます。

吹き抜けなので1階にいる家族とコミュニケーションを取ることもでき、程よい距離感の中で一体感も感じられます。子どもが2階でアニメ鑑賞を楽しんでいる間に、夫婦で1日の出来ごとを語り合う時間もまた幸せです。

日中はソファに寝転びながら、一人の時間もゆっくりと満喫できそうな空間です。

事例2.暮らしを豊かにするファミリーライブラリ

こちらの住宅も2階にセカンドリビングを採用した実例です。階段をのぼると、家族の大好きを詰め込んだファミリーライブラリが迎えてくれます。

本とインテリア小物がバランスよくディスプレイされた本棚は、まるでおしゃれな本屋さんにいるような気分にさせてくれます。吹き抜け部分をガラス張りにしているので、落下防止と開放感を同時に実現。

読書をするのもよし。勉強やリモートワークをするのもよし。使い方は気分次第です。

事例3.子どもから高齢者まで安心して過ごせる癒しの空間

ダイニング横にセカンドリビングを設けたこちらの住宅は、家族の疲れを癒す木目のやわらかな雰囲気が自慢。メインリビングで団らんを楽しんだ後は、セカンドリビングに移動して一人時間を満喫する楽しみがあります。

メインリビングとキッチンからセカンドリビングが見えるので、小さな子どもや高齢の家族、ペットが過ごす場所にも最適です。大きな窓から差し込む日差しが心地よい空間です。

セカンドリビングで後悔しないためのコツ

チェックマーク

セカンドリビングを作る際は、以下のポイントを意識することで失敗のない家づくりが実現できます。

  1. 用途を具体的にイメージする
  2. 生活動線を考える
  3. 日当たりや空調も考慮する

それぞれのコツを具体的に解説します。

コツ1.用途を具体的にイメージする

セカンドリビングを採用する場合は、まずその用途を明確にすることが大切です。

誰がいつ、どのような時に使うのかをイメージすることで、最適な広さや位置を決定できます。家づくりでは「狭すぎた」「スペースを広く取りすぎてしまった」と後悔する方が多いので、使い方をある程度想像しておくことで失敗を防げます。

客間や子どもの遊び場、ワークスペースなどさまざまな使い道を想定しているのであれば、最低でも4.5畳、来客が多いのであれば6〜8畳は確保しておきたいものです。

コツ2.生活動線を考える

セカンドリビングの用途を明確にしたら、次は生活動線も考えましょう。

ワークスペースや趣味部屋がおもな用途であれば、メインリビングから距離があった方が物音を気にせずに過ごせます。子どもの遊び場や要介護の家族が過ごす場所として使うのなら、メインリビングから目の届くところに配置するのが安心です。

セカンドリビングのクローゼットに衣類を収納する可能性がある場合は、洗濯室やバスルームの近くに配置するのがおすすめです。

コツ3.日当たりや空調も考慮する

セカンドリビングを採用する場合、日当たりや空調設備の設置についても考慮しなければなりません。

日当たりの良い場所であれば、日中は自然光で明るく過ごせます。室内があたたまるので、寒い季節は光熱費の節約にもつながります。

家づくりではメインリビングを優先して計画を進めがちです。しかし、せっかくスペースを作るのですから、セカンドリビングも快適性を損なわないための工夫が必要です。

配置する方角や窓の位置、エアコンの設置場所などを考えて、過ごしやすい設計を意識してください。

セカンドリビングで豊かな暮らしを実現しよう

セカンドリビングは、家族の成長やライフスタイルに合わせて生活の質を向上させてくれる魅力的な選択肢です。

自由度が高く、限られたスペースでも設置できるのはセカンドリビングの大きなメリットです。家族間でもプライバシーを確保でき、日々の暮らしをより豊かなものに変えてくれるでしょう。

本記事でご紹介したポイントを参考に、家族全員が快適に過ごせる家づくりを実現してくださいね。

この記事の監修者

小山田

小山田 剛

一級建築士事務所CoboLabo代表。 一級建築士兼、管理建築士。お客様のご予算帯に合わせた最適な建築・インテリア設計の提案を得意としている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フリーランスとして活動するエクステリアプランナー。
2級エクステリアプランナー・インテリアコーディネータ―の資格所有。
住宅の外観から内装デザインまでを得意としており、自身の住宅デザインも手掛けている。

目次