セミクローズ外構とは?おしゃれな施工事例や費用相場、防犯対策について解説

おしゃれな家の外観

外構デザインは大きくオープン外構・クローズ外構・セミクローズ外構の3種類に分けられます。このうち、日本の住宅でもっとも一般的なのがセミクローズ外構です。

セミクローズ外構にはプライバシー確保や快適性、デザインの自由度などさまざまなメリットがあります。マイホーム計画がある方は、建物の外部空間を彩る外構も妥協なくデザインしたいですよね。

そこで本記事では、セミクローズ外構の魅力とおしゃれな施工事例をご紹介します。費用相場や防犯対策についても整理しているので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

目次

セミクローズ外構とは?

外構(植栽と照明)

セミクローズ外構とは、敷地全体を完全に囲わず、必要な部分だけをフェンスや門柱、塀、植栽などで区切る外構スタイルのことです。

開放感やプライバシー、防犯性など、オープン外構とクローズ外構のいい部分だけを採用しているのが特徴です。暮らし方や敷地条件に合わせて、住宅の外部空間を柔軟にデザインできることがセミクローズ外構の最大の強みといえます。

近年は防犯意識の高まりや在宅時間の増加を背景に、外からの視線をほどよく遮り、かつ圧迫感のない外構が人気を集めています。

オープン外構との違い

オープン外構とは、塀やフェンスをほとんど設けず、敷地と道路の境界を明確に区切らない外構スタイルです。

塀やフェンスを設置しないことは外構工事のコストカットにつながります。視界を遮るものがない開放的な空間は、家の中の採光や日当たりにもいい影響を与えます。

その一方で、プライバシーや防犯面に不安を感じやすいことはオープン外構のデメリットとなりうる側面です。外構デザインも単調になりがちなので、機能門柱や植栽などのワンポイントを加える工夫を行うことが多いです。

クローズ外構との違い

クローズ外構は塀やフェンス、門扉などで敷地全体を囲い、外部と明確に区切る外構スタイルです。

プライバシー性や防犯性を重視したい方に人気があり、庭でゆっくり過ごしたりBBQをしたりといった楽しみ方ができます。子どもやペットが自由に走り回れる空間を確保できるのも、クローズ外構の大きな魅力です。

建物を囲うと圧迫感が出やすいため、視線を完全に遮断しないよう「抜け」を意識した設計を行うことがあります。

セミクローズ外構のメリット

玄関アプローチ

日本の一般住宅でセミクローズ外構が人気を集める理由は次の通りです。

  1. プライバシーを守りやすい
  2. 圧迫感が少ない
  3. 採光や風通しを確保できる
  4. 費用を抑えやすい
  5. デザインの自由度が高い

ここからはそれぞれのメリットを詳しく解説します。

1.プライバシーを守りやすい

セミクローズ外構は道路や隣家からの視線が気になる部分だけを囲えるため、プライバシーを確保しやすい方におすすめです。

リビング前や庭スペースなど、生活感が出やすい場所にフェンスや植栽を配置することで外部の視線を遮り、室内外ともに落ち着いた空間をつくれます。

完全に囲ってしまうクローズ外構とは異なり、必要な範囲だけをカバーできるため、開放感を確保したプライバシー対策が可能です。

2.圧迫感が少ない

セミクローズ外構は、塀やフェンスなどで空間を区切ることはしつつも、視線の抜けや余白を意図的に残すことができます

敷地全体を一様に囲うわけではないので、視覚的な圧迫感や閉塞感を抑えることが可能です。

敷地が限られている場合や道路に近い立地でも、外構による重さを感じさせないのは、セミクローズ外構ならではのメリットといえるでしょう。

3.採光や風通しを確保できる

セミクローズ外構には抜けや余白があるため、光や風を取り込みやすいこともメリットです。

格子フェンスや高さを抑えた塀、植栽などを組み合わせることで、目隠しをしながらも自然光や通風を妨げにくい設計を実現します

日当たりや風通しは住まいの快適性に直結する要素であるため、外構を考えるうえで無視できないポイントです。

4.費用を抑えやすい

敷地全体を囲うクローズ外構に比べて、セミクローズ外構は使用する資材や施工範囲を抑えられることが多いです。

フェンスや門柱などを必要最小限に留めるのは、結果として費用を抑えることにも繋がります。外構費用はできるだけ抑えたい場合にも、セミクローズ外構は現実的な選択肢となるでしょう。

5.デザインの自由度が高い

オープン外構とクローズ外構のメリットを兼ね備えたセミクローズ外構は、デザインの自由度が高い点も魅力のひとつです。

フェンスや門柱、植栽の組み合わせによって千差万別なエクステリアが叶います。立体感や奥行きのある外観を演出できるため、住まい全体の印象を格上げしたい方にも向いています

セミクローズ外構のデメリット

土間コンクリート

セミクローズ外構にはさまざまなメリットがありますが、その一方で施工前に知っておくべき注意点もあります。

  1. 死角が生まれやすい
  2. ライフスタイルの変化に対応しにくい

それぞれのデメリットも詳しく解説します。

1.死角が生まれやすい

セミクローズ外構には、フェンスや門柱、植栽などを部分的に配置するため、設計によっては死角が生まれやすいというデメリットがあります。

防犯目的で建物を囲うことを考えると、背の高いフェンスやボリュームのある植栽などを配置する考えが思いつきます。しかし、配置を慎重に考えなければ道路や隣地から見えにくいスペースが増え、不審者の侵入に気づきにくくなる可能性があるのです。

セミクローズ外構では「隠す」ことと同時に、見通しの確保や視線の抜けも意識した設計が重要です。

2.ライフスタイルの変化に対応しにくい

セミクローズ外構には、将来的なライフスタイルの変化に対応しにくい側面もあります。

たとえば、車の台数が増えたり子どもの成長に伴って動線が変わるなどの庭の使い方が変化しても、フェンスや門柱の配置が制約になることがあります。

後から大きくレイアウトを変更しようとすると撤去や再施工が必要になり、追加費用が発生してしまう点にも注意が必要です。

外構デザインを考える時は、計画段階で将来の暮らしをある程度想定し、可変性を意識した外構設計を行うことで失敗や後悔を防ぐことができます。

セミクローズ外構の費用相場

家の設計図と電卓と虫眼鏡

セミクローズ外構の費用は、外構全体の規模や囲う範囲、使用する素材によって大きく変動します。一般には、シンプルなセミクローズ外構で100万〜150万円ほど、デザインや素材にこだわった場合は200万円以上になることもあります。

費用を左右する主な要素は以下の通りです。

  • フェンスや塀の設置範囲・高さ
  • 使用する素材(アルミ、木調、塗り壁、天然石など)
  • 門柱・門塀・宅配ボックスの有無
  • 植栽や照明などの付加要素
  • 敷地の形状や高低差、施工条件など

セミクローズ外構は「どこを囲い、どこを開くか」で費用が調整されるため、予算に応じて優先順位をつけながら計画するのがいいでしょう。

セミクローズ外構の防犯対策

セミクローズ外構は設計によっては死角が生まれやすいため、防犯を意識した工夫が欠かせません。

防犯性を高めるためにまず意識したいのが、見通しを確保することです。完全に視線を遮るのではなく、格子フェンスや高さを抑えた塀、透け感のある素材が防犯対策として有効です。

アプローチや玄関周りなど、視覚になりやすい場所に人感センサー付きライトを設置すると不審者が近づきにくい環境を整えられます。防犯砂利にも侵入をためらわせる心理的効果が期待できる防犯砂利もおすすめです。

最近は防犯性と機能性を両立したエクステリア商品が増えているので、配置場所や動線を考えながら安心して暮らせる外構づくりを目指していきましょう。

セミクローズ外構のおしゃれな施工事例

セミクローズ外構を検討中の方のため、ここからは参考にしたいおしゃれな施工事例をご紹介します。

事例1.植栽と低めの壁でやわらかく区切るセミクローズ外構

建物の周囲を高い塀で囲わず、低めの壁と植栽を組み合わせて境界をつくった施工事例です。道路や隣家からの視線を遮りつつも、庭と外部とのつながりを感じられる雰囲気が魅力的です。

植栽が目隠しの役割を担うことで圧迫感が出にくく、ナチュラルで開放的な印象に仕上がっています。屋外テラスや庭で過ごす時間を大切にしたい方に向いたセミクローズ外構の好例です。

事例2.リビング目前のシンボルツリーが道路からの視線をコントロール

建物正面の玄関まわりに植栽を配置し、外からの視線が集まりやすい部分だけをさりげなく区切った施工事例です。敷地全体はオープンに保ちつつ、生活動線が集中する玄関やリビング周辺の落ち着きを確保しています。

シンボルツリーを取り入れることで目隠しとデザイン性を両立し、街並みにも自然に馴染む外観を実現したスタイルです。

事例3.周囲の自然と建物が調和する豊かさがあふれるエクステリア

建物の外観デザインと調和するよう、壁面や軒下空間を活かして外構を構成した施工事例です。敷地の一部を囲うことでプライバシーを確保しながらも、視線の抜けや採光をしっかり確保しています。

フェンスや塀ではなく、周囲のグリーンを外構として活用している自然感たっぷりな外構が建物全体を引き立てる役割を果たしています。シンプルで洗練された外観が印象的です。

事例4.隣家との境界を保ちつつ開放感も得られるセミクローズな空間

分譲地や住宅街の外構デザインはプライバシーと開放感の両立が課題です。こちらの事例は低めのフェンスで隣家との適度な境界を設けつつ、開放感のバランスも保たれています

アプローチと駐車スペースに広がりを感じるため、住宅密集地でも窮屈さはありません。

セミクローズ外構は「暮らしやすさ」と「デザイン」を両立できる外構スタイル

セミクローズ外構はオープン外構とクローズ外構の良さを取り入れた魅力的な外構スタイルです。必要な部分だけを囲うことで、外からの視線や侵入への不安を軽減しながら、圧迫感のない、心地よい住まいを実現できます。

施工事例からも分かるように、セミクローズ外構はデザインの自由度が高く、建物や街並みに合わせた多様な表現が可能です。「どこを囲い、どこを開くのか」をじっくり検討することで、見た目だけでなく長く満足できる外構を形にできます。

外構は住まいの第一印象を決めるだけでなく、日々の暮らしや安心感にも大きく影響します。本記事を参考に、住む人にとって最適な外構計画を検討してみてください。

この記事の監修者

大橋哲雄

大橋 哲雄

ステージ外構設計事務所代表。 お客様の不満を解消するエクステリアプランニングを得意としており、これまで1,000件以上の施工に携わっている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フリーランスとして活動するエクステリアプランナー。
2級エクステリアプランナー・インテリアコーディネータ―の資格所有。
住宅の外観から内装デザインまでを得意としており、自身の住宅デザインも手掛けている。

目次