外構工事を検討するにあたって、どこまでお金をかけるかは悩ましい問題です。
「理想はあるけど予算をオーバーしてしまう」
「家にお金がかかった分外構は費用を抑えたい」
など、やりたい工事と予算で折り合いがつかず、妥協点を探している方もいるかと思います。そこで今回は、外構工事の費用全般に関する情報をまとめました。
工事内容ごとの相場や費用を少しでも安くするための方法もご紹介するので、外構工事のご予定がある方はぜひお読みください。
外構工事の費用相場はいくら?
よく「外構工事の相場は建物にかかった費用の10%」と言いますが、一概にそうとは言えません。
というのも、人それぞれで建物にかけたお金と所有する土地の広さは異なります。狭い土地いっぱいに家を建てれば外構工事は小規模なものになりますし、商材にこだわったり大がかりな工事をすれば1,000万円以上かかる場合もあります。
10%はあくまで目安であり相場ではありません。外構工事は周りがいくらかけたかよりも、予算内でどれだけ理想に近づけられるかを中心に考えるのがいいでしょう。
外構工事の施工例
ここからは外構工事の施工写真をいくつかご紹介します。
工事内容と費用もご紹介するので、費用感をつかむ参考にしてください。
1.デザイン重視&こだわりがつまった施工例
新築に伴い、素材やデザインにこだわった施工例です。
費用は約450万円で、門まわり・塀・玄関アプローチ・植栽・駐車場の工事を行いました。
2.日差し対策と導線を意識した施工例
日差し対策としてパーゴラとシェードを設置した施工例で、工事費用は約200万円です。
ウッドデッキが室内と庭の導線をつないでいます。
3.プライバシーを守る施工例
桟・花壇・庭・植栽・ウッドデッキ・照明の施工で、工事費用は約240万円です。
通行人の視線をさえぎる桟と、雰囲気のいい庭との調和が保たれたセンスの光る外構です。
「外構費用を100万円以内におさめたい」「200万円でどこまでできる?」など、予算内でできる施工例を知りたい方は多いことと思います。
100万円の予算であれば、一般的な門まわり&玄関アプローチ&物置の設置は可能だと思われます。
駐車スペースが必要であれば、コンクリート舗装&カーポートの設置も予算内におさまるでしょう。ただし、ガレージはそれだけで100万円前後かかるので、その他の工事は難しいかもしれません。
【部分別】外構工事の金額一覧
ここからは工事内容別に金額の目安を見ていきましょう。
1.門まわり
門まわりは建物の顔となる部分です。費用相場は20〜50万円ほどですが、門のデザインや材質によっても金額は大きく変わります。
耐久性に優れ、コストパフォーマンスもまずまずなのがアルミの材質です。費用を抑えたい場合は樹脂もおすすめですが、商材によって少々安っぽく見えてしまうのが難点です。
木製や鉄製の門は高級感がありますが、その分費用は高くなります。木の腐食や鉄のサビを防ぐにはメンテナンスも必要であり、業者に依頼すれば都度お金がかかるでしょう。
門の材質のほか、郵便受けや表札のデザインなどにもこだわる方もいます。
2.玄関アプローチ
門から玄関までのアプローチをコンクリートで固める、あるいは石やタイルを敷きつめる工事には20〜50万円ほど費用がかかります。
玄関アプローチの設計では、第一に安全性を意識します。小さなお子さんがいるご家庭はもちろん、高齢になった時のことを考えて歩きやすいデザインがおすすめです。
玄関アプローチのデザインで多いものには、
- コンクリート
- タイル
- 枕木
- 敷石
- インターロッキング
- 砂利
などがあります。
コンクリート打ちっぱなしの外構デザインは、すっきりとスタイリッシュな外構デザインを希望する方に人気です。
玄関アプローチや駐車スペースに採用する場合、費用は5,000〜10,000円/㎡が相場です。単純計算で10㎡の敷地なら50,000〜100,000円、50㎡の敷地では250,000〜500,000円となります。
価格に開きがあるのは、コンクリートの単価は地域によって大きく異なるためです。なお、この費用には材料価格と施工費が含まれます。
3.塀・フェンス
防犯やプライバシー保護のために設置する塀やフェンスは、施工規模によって30〜100万円の費用がかかります。
金額を左右するのは塀・フェンスの長さや材質、設置場所などです。アルミ製のフェンスは比較的安価で、設置費用は1mあたり15,000〜30,000円ほどです。
アルミやスチール以外では樹脂や木材、ブロック塀の上にフェンスを建てる施工などもあります。
4.駐車場・カーポート
駐車スペースの費用例は次のとおりです。
コンクリート舗装 | 10〜20万円 |
カーポートの設置 | 20〜30万円 |
ガレージの設置 | 100万円前後 |
カーポートを設置しつつ、コンクリート舗装する場合は30〜50万円ほどの費用がかかります。また駐車スペースが2台以上必要であれば、費用は上記の価格×台数で計算されます。
5.物置
物置の費用相場は5〜50万円で、物置のサイズによって異なります。
設置場所の強度が不十分であれば、上記費用に地盤を固めるための転圧工事(+5万円前後)が必要です。加えて、台風や突風に備えるため転倒防止工事にも1〜2万円の費用がかかります。
なお、DIYに慣れている方だとご自身で倒防止工事をすることも可能です。
6.ウッドデッキ・テラス
ウッドデッキの費用は、材料費と施工費を合わせて1㎡あたり5万円が相場です。
材質は天然木または樹脂・人工木が選択でき、スタンダードなものであれば価格差はそれほど大きくありません。
天然木の中でも耐久性が高く、高級感のある木肌が魅力のウリンは1㎡あたりの費用が4〜6万円と少々高めです。また、ここ数年はウッドショックの影響で木材価格が高騰しているため、価格改定を行う業者が増えています。
7.照明
照明の費用は、1ヶ所につき3万円程度が相場です。
ここ数年は長寿命のLEDタイプの照明が人気を集めています。防犯対策としてセンサー式の照明を導入する方も多いですし、玄関まわりをほんのり照らすライトアップはおしゃれな空間を希望する方におすすめです。
お金をかけずに照明をつけたい場合は、配線工事なしでできるソーラーライトをご自身で設置するという選択肢もあります。
8.植栽
見た目の美しさだけでなく防犯の役割も兼ねる植栽は、1本あたり1万円×植える樹木の本数で計算します。
本数が多ければ植栽一式として計算され、その場合の相場は10〜20万円です。
補足ですが、植栽工事には適した時期があるため、業者次第では施工時期を指定される場合があります。(樹木が成長しやすい時期に植え付けをする目的)
9.防草シート・砂利敷き
雑草対策のための外構工事は、草刈りや床均し、転圧などの作業を行なった上で除草シートと砂利敷きをします。
費用にすると10㎡あたり30,000〜50,000円で、範囲が広くなるほど金額は高くなります。
数万円程度ならDIYで節約しようと考える方もいるでしょう。砂利敷きについて言えるのは、費用対効果を考えると業者に依頼した方がいいケースもあるという点です。
砂利敷きは揃えなければいけない材料が多く、重労働で時間も手間もかかるので、時間や費用、労力から総合的に判断することをおすすめします。
10.庭
庭づくりにかかる費用は、工事内容と規模によって大きく異なります。
小さな庭に芝生やタイルを敷くだけであれば、10万円以内におさまる場合もあるでしょう。反対に大きな庭いっぱいに植栽をしたり、広々としたデッキを作ったりして数百万以上かける方もいます。
庭については相場というよりも、まずは予算を決めてその中でどこまで理想に近づけるかを考えるのがいいかもしれません。
外構工事の費用を抑える方法
外構工事の費用を少しでも安く抑えるためのコツは次の4つです。
- 相見積もりをする
- DIYをする
- デザインをシンプルにする
- 値引き交渉をする
それぞれのポイントを詳しく解説します。
1.相見積もりをする
プロに外構工事を依頼する場合は、複数の業者から相見積もりを取りましょう。
相見積もりには、外構工事の相場がわかるというメリットがあります。どの工事にいくら費用がかかるかを把握できれば、相場より高い業者を除外する判断基準になります。
相見積もりは多すぎると逆に迷ってしまうので、気になる業者を3〜4社に絞るのがおすすめです。
2.DIYをする
業者に依頼するとかかる施工費はDIYで節約できます。
比較的簡単なものには、
- コンパクトな物置の設置
- 花壇づくり
- 表札や郵便受けの取り付け
- 後付け照明の設置
などがあります。
DIY慣れしている方であれば、物置の組み立てや転倒防止工事なども楽しみながらできるかもしれません。
3.デザインをシンプルにする
複雑なデザインを叶えようとすれば、当然ながらそれだけ工事費用は高くなります。
装飾は多ければ多いほど材料も増えるので、コストを抑えるならデザインはできるだけシンプルにまとめることを意識してみてください。
4.値引き交渉をする
費用を安く抑えるための最終手段が値引き交渉です。
交渉によって費用が絶対に安くなるとは言えませんが、交渉をしなければ値段が下がることはありません。相談という意味でも、値引きが可能かどうか一度は質問してみるのがいいでしょう。
外構工事は相場を参考に予算立てをしよう
家の外観を彩る外構は、マイホーム同様こだわりをしっかりと形にしたいポイントです。
外構工事には高額な費用がかかるので、デザインの見直しやDIYで節約を検討する方も多いでしょう。
業者への値引き相談には相見積もりが交渉材料となるので、工事ごとの相場を把握しつつ納得のいく業者選びをしたいものですね。