リビングは1日の中で過ごす時間がもっとも長い場所です。
快適で居心地のいい空間にするにはある程度の広さが必要ですが、間取りや家具の都合で狭さを感じる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、リフォームせずに狭いリビングを広くおしゃれに見せる方法をご紹介します。リビング以外にも活用できる視覚的効果についても説明するので、家づくりにぜひお役立てください。
狭いリビングを広く見せる方法
狭いリビングを広く見せる方法には次のものがあります。
- 必要なインテリアだけ揃える
- レイアウトを工夫する
- 膨張色を取り入れる
- ロータイプの家具を選ぶ
- ガラスや鏡を活用する
それぞれの方法を詳しく解説します。
方法①必要なインテリアだけ揃える
限られたスペースを広く見せるもっとも効果的な方法は、配置する家具や家電を最小限に抑えることです。
ソファやテーブルはリビングの必需品といったイメージがありますが、住む人の生活スタイル次第では必ずしも必要であるとは限りません。
あれもこれもと配置すれば、その分スペースが狭まります。広さを重視したい方は、配置予定の家具や家電が本当に必要かどうかを考え直してみるのがいいでしょう。
ソファを置かないことで自由度の高いリビングに。お掃除が楽になり、小さなお子さんやペットがいるご家庭も安心して過ごせる点も大きなメリットです。
こちらは約17畳のLDKです。存在感のあるソファを設置していますが、テーブルがコンパクトなのでリビング空間に広々とした奥行きを感じられます。
こちらのリビングにはテレビがありません。テレビがないことで壁一面を自由に使える一例です。最近はテレビを置かずにプロジェクターで動画鑑賞を楽しむ人が増えています。
方法②レイアウトを工夫する
大きい家具や家電の圧迫感を軽減するにはレイアウトも工夫しましょう。
具体的な方法は次の通りです。
- ソファを壁付けで配置する
- ドア(入口)付近にものを置かない
- 目線が抜けるレイアウトにするなど
狭いリビングの場合、空間を占める割合の大きなソファは壁付けに配置するのがおすすめです。限りあるスペースを有効に活用でき、生活導線もスムーズになります。
ソファを壁側に寄せ、大きな窓で目線を抜くことで広々とした印象に。膨張色で統一されたホワイト系のインテリアも空間を広く見せるのに一役買っています。
限られたスペースでもレイアウトを工夫すればコーナーソファも設置できます。大きな窓は空間の奥行きを演出でき、リビングを広く見せる効果絶大です。
方法③膨張色を取り入れる
リビングを広く見せるには、ホワイトやベージュなどの膨張色を効果的に活用しましょう。
インテリア配色の黄金比は「70:25:5」であると言われています。
- 70%…ベースカラー(床材やクロスなど基調となる色)
- 25%…アソートカラー(家具類などインテリアの主役となる色)
- 5%…アクセントカラー(クッションや装飾品などアクセントとなる色)
上記の配色を意識するとインテリア全体がバランスよくまとまります。広さを重視する場合はベースカラーの割合を増やしたり、ベースカラーとアソートカラーを同系色にするのも一つの方法です。
ベージュ系で統一することで空間の広がりを感じられるインテリアの一例。同系色は部屋を広く見せるだけでなく、インテリアで失敗しにくいメリットもあります。
またアクセントカラーに濃いブルーやグリーンなどの後退色をチョイスすると、奥行きや空間の広がりも演出できます。
後退色には空間に奥行きを出す効果があります。部屋の奥にネイビーを配色することで部屋を広く見せられるカラーコーディネートです。
奥まった場所に窓があれば、カーテンに後退色や寒色をチョイスするのもいいでしょう。
間取りが固定されてしまう賃貸でリビングを広く見せるには、カーテンやラグなどに膨張色を選ぶのがおすすめです。
膨張色とは、読んで字のごとく広がったり大きく見える効果のある色群のことです。ホワイトやベージュのほか、イエローやオレンジ、レッドなどの暖色系のカラーにも膨張効果があります。
ほかのカラーとなじみがよく、失敗しにくいのがホワイトやベージュです。既存の家具家電とも合わせやすいですし、飽きがこない点も大きなメリットと言えます。
方法④ロータイプの家具を選ぶ
家具や家電は高さがあるほど圧迫感が出やすいため、これから家具を新調するならロータイプのものを選びましょう。
ソファをロータイプにするだけで立った時の目線に奥行きが感じられます。ローソファは小さなお子さんやペットと暮らすご家庭で人気のアイテムです。
抜群の座り心地で人気のビーズソファには空間を広く見せる効果も期待できます。移動や持ち運びにも便利なので、来客時などスペースを作りたい時にもおすすめです◎
赤ちゃんやペット関連のグッズの収納スペースを確保するにあたって、意識したいポイントは次の3つです。
- 積み重ねできる収納アイテムを活用する
- ベビー・ペットグッズは可動式のワゴンやチェストに収納する
- 2〜3wayアイテムを活用する
赤ちゃんやペット関連のグッズを収納するには、積み重ねOKの収納アイテムがおすすめです。同シリーズの収納アイテムで統一するだけで、散らかりやすいおもちゃも簡単にまとめられます。
また赤ちゃんは成長によって行動範囲が広がるので、キャスターのついたワゴンやチェストを活用することで臨機応変に対応できるでしょう。
方法⑤ガラスや鏡を活用する
窓ガラスや鏡には空間に奥行きを感じさせる効果があります。
大きな鏡を一つ置くだけで、映し出された空間がもう一部屋あるように感じさせてくれるのです。鏡を有効活用するには、できるだけ大きなものをチョイスするのがいいでしょう。
鏡の奥にも空間があるような視覚的効果を利用した例。鏡は大きければ大きいほど空間を広く見せる効果が期待できます。
リビングを広く見せるには、壁一面を埋める大きな鏡が効果的です。隣にも部屋があるような錯覚を利用し、奥行きのある印象をアップさせます。
大きな窓があるだけでリビングが広々とした印象に。リビングが道路に面していたり、お隣と近い場合はレースカーテンでプライバシーを守ることが大切です。
縦長リビングはレイアウトが難しいと思われがちですが、部屋を広く見せるには大変効果的な間取りです。
家具や家電は横並びの配置となりますが、背の高いものを近距離でまとめて配置するだけで圧迫感は大きく軽減できます。辺の長い壁には大きな鏡を設置し、横幅をワイドに感じさせる工夫もおすすめです。
もう一つ、ソファテーブルを壁側に寄せる(部屋の真ん中に置かない)ことも部屋を広く見せるコツです。通路を広く確保するだけで視界が開け、開放感を感じられます。
狭いリビングに置く家具の選び方
リビングを広く見せるには家具の選び方にもこだわりましょう。
ここからは、
- ソファ
- ダイニングテーブル
- 収納アイテム
の選び方のポイントも解説していきます。
ソファ|ロータイプで部屋を広く見せる
部屋を広く見せるには、背もたれの低いロータイプのソファがおすすめです。
ロータイプのソファはこたつとの相性もよく、快適さを重視する方に人気があります。取り外しできる足が付属していれば、生活スタイルや好みに合わせてソファの高さを楽しめるのも嬉しいポイントです。
ソファやテレビボードを低い位置にまとめることで空間上部に開放感が出せます。大きめの姿見が奥行きを出し、相乗効果で部屋を広く見せているインテリアの一例です。
こちらは段差のあるリビング。足元を下げつつ、ソファをロータイプにすることで空間にゆとりが感じられます。モダンなスタイルながら和の雰囲気も楽しめるインテリアです。
ダイニングテーブル|リビングとの兼用も◎
スペースを節約したい場合、ダイニングテーブルとソファテーブルの兼用もおすすめです。
こちらのリビングにはダイニングテーブルがありません。ロータイプのソファとテーブルのみで完結しているため、リビング全体に余裕が感じられます。
こちらはダイニングとリビングテーブルをこたつで兼用しています。こたつが大きめなのでテーブルとしての広さは申し分なく、来客時もゆったりとしたスペースが確保できます。
収納|見せる収納でスペースを節約
空間を広く見せるには収納アイテムの見直しが欠かせません。
最近は収納力とデザイン性を兼ね備えたおしゃれな収納が増えているので、リビングの雰囲気に合わせて活用したいものです。参考になるインテリア事例を見ていきましょう。
空間を広く見せてくれるガラスケースのキャビネットを活用した例。余白を見せることですっきり整頓された印象になります。
キッチン背面の収納をオープンにすることで奥行きが感じられます。隠す収納から見せる収納へ、思い切って挑戦してみると意外な発見があるかもしれません。
背の高い本棚も、クロスとなじむ色合いをチョイスすれば圧迫感がなくなります。散らかりやすい小物類はボックスやバスケットに収納し、すっきりとした印象に。本棚やラックなど大きめの収納は余白を意識するのがおすすめです。
狭いリビングはスペースをムダなく活用しよう
リビングを快適な空間にするには程よい余白が必要です。
家具や家電の設置場所はもちろんのこと、色やサイズなどの視覚的効果を最大限に活用しましょう。モノが増えればその分狭さを感じてしまうので、整理整頓や断捨離を定期的に行うことも大切です。
リビングそのものは狭くても、インテリアの選び方次第で空間に奥行きを感じさせることは可能です。本記事を参考に、ゆとりのある快適なリビング作りを目指してください。